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執筆者の写真藤井 充

Sunameriの開発ストーリー「試作機設計編」

更新日:2022年9月27日

こんばんは、Sunameri開発者の藤井です。

2日前に、Sunameri開発を始めるキッカケについて書きました。

社員が余暇に遊んでいた電動スケボーを試してみたら「おもろいやん!」となって、脊椎反射的に「これ、作ってみよう!」となったわけです。

本来、ちゃんとした会社なら、市場性やその成長性、優位性、開発予算とその規模、市場投入時期、そして開発費の回収の目処、収益予測など、ちゃんとプロジェクトを組み立てて、ミーティングを重ねて、「よし、これなら行けそうだ!やりましょう!」となるのでしょうが、


こんなに面白い乗り物は、みなさんも「面白い!」と思うに決まってる!

でも、今は公道で走れるモデル存在しない。

じゃあ、作ったら喜んでもらえるのでは?


という、シンプルな発想でプロジェクトをスタートさせる事にしました。(2018年初め)


いざ、作ってみようと思ってみましたが、開発テーマとしては、

①公道を走れる事(保安基準適合)

②フヂエンのオリジナルのアイデアが詰まっている事

③カーボンを使って軽量化する事

④乗って楽しいモビリティになる事


というテーマを持って設計をスタートしました。

とは言え、開発予算がどこかに余っていたワケでもないので、基本的に私の空き時間を使っての設計になりました。当時、社内には「また社長が意味不明なモノを作ろうとしてる」という、期待よりは「また無駄なお金使って~、もう」みたいな空気が漂っていたように思います。

でも、私としては、自分が欲しい、造りたいモノに取り組み始めたら、出来上がるまでは一心不乱になるタイプなので、周囲の雰囲気とかはあまり気にならなくなります。


さて、実際の開発作業の話をしましょう。

電動スケートボードについて色々調べてみると、アメリカの西海岸で盛んにDIYビルドされていて、モーターやコントローラーがKIT販売されていて、コントローラーのソフトウェアはオープンソース化されていて、アマチュアの人たち(と言ってもかなり高レベル)が集まって集合知としてどんどんレベルアップしていました。

とは言え、アメリカ西海岸と日本では法律も違いますし、何より、彼らの物真似する事に興味ありません。

自分たちが頭ひねって、悩んで、考え出した何かを織り込んだモビリティじゃないと作る意味が無い、と考えていましたし、そこは現在も変わりません。


オリジナルの何か、をしばらく思案した結果思いついたのが、前2輪、後ろ1輪のリバーストライクです。

以前、うちのお客様が英国のグリナール・スコーピオンという前2輪、後ろ1輪のトライクをお持ちで、それを整備&修理した際に試運転してみるとハンドリングも軽快だし、後ろにデフギアを入れなくていいし、合理的なレイアウトかもなぁ、と考えていた事もあって、この前2輪、後ろ1輪のリバーストライクのスタイルをベースにして考える事にしました。



サスペンションは拘りたいところだったので、かなり時間を割いて設計しました。

あえてハンドルはデッキに固定して、デッキをリーン(傾ける)すると、トーロッドが押し(引き)動かされて舵角が切れるという、ちょっと変わった仕組みです。

また、ウチの得意分野であるカーボン素材を使うサスペンションシステムを考案しました。

サスペンションの板をアームとして使用し、コーナーリングの横力を受けつつ、タイヤからの振動はリーフスプリングの様に吸収する、という「1粒で2度美味しい」サスペンションです。(笑)

ちなみに、これらのシステムは、特許出願中です。


なんとも殺風景なデザインの試作1号機

1機目の試作は、自分が考案した電動キックボードのシステムが上手く作動するかどうか?を見るために作ってみました。

なので、車体にデザイン要素は入っていません。


今、見てみると、なんとも殺風景なデザインですね。

(デッキプレートの後端が上方にハネ上がっているあたりに、スケートボードのカタチを無理やりに残そうとした意図があったような気がします)


さっそく、この図面をベースにして、試作機の製作がスタートしました。(2018年春先)

実際の製作の様子は、また次回に。







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